ルクア大阪が発信するプロジェクト“LIFE”。数々のイベントを通して、ショッピングの新しいカタチを提案します。

VALENTINE TALK SHOW

WHAT’S LIFE

大切な人を想って買うことで、それはより特別になる

龜石そもそも、この「LIFE」というプロジェクトは、どんな思いからスタートしたのですか?

田中タケフミ(『LIFE』プロデューサー)今の、リアル店舗とインターネットのバランスが変わってきている状況で、これからのショッピングの形とは何だろう? と。ショッピングって旅行と同じで、その行為自体や、そこに行くまでの道中自体がおもしろかったりする。

伊勢谷家で(インターネットで)ポチッとしても、その感覚はないもんね。

田中昨年末に行ったクリスマスナイトマーケットだったり、今回のバレンタイン企画だったり、そこでの時間や体験、コミュニケーション、その一部始終すべてを楽しんでもらうことで、その日そこで買ったものはより特別なものとして残っていく。あと例えば、「形見の時計」っていうのは、もはや“モノ”じゃなくて、くれた人との大切な想い出で構成されていたりする。その両方に存在するような価値を提案できたら、と。

龜石「自分」が起点にありながら、誰かとの接点があったり、誰かを楽しませたり、という人と人の相互関係を大事にしていこうと。

田中そうですね。館内でかかっている音楽がいつもと違うことでワクワクして、それによって新しい出会いが彩られたり。あと、プレゼントという「大切な人を想って買う」消費行動も大事にしたくて。

伊勢谷実は幸せってそこからしか生まれない。(相手を)幸せにしないと幸せになれないから。

その消費活動ひとつが、未来につながる

龜石伊勢谷さんのほうから、リバースプロジェクトの説明も簡単にお願いします。

伊勢谷27歳のときに、映画を作ったんです。その当時、映画監督になりたいと思っていて、なったんですけど、よくよく考えたら、それは目的じゃなく手段だった。じゃあ何をしたいのか? を考えたときに、地球が生き残っていくために自分の命を使おうと。じゃあ社会システムのなかでそれをどう構築すれば形になっていくか。今って資本主義社会で、お金を使うことで世界はまわっている。それなら、その消費活動を変えてあげることによって、リバースプロジェクトは他とは違う価値を作っていくことができる。

龜石今回、このトークショーに合わせて、リバースプロジェクトは「想い出残すプロジェクト」というポップアップストアも展開していて、これは「想い出の品に新しい命を吹き込み、新しい価値を生み出すことで未来に残していく」という試みです。例えば、家に眠っている母の毛皮のコートや父のスーツをリメイクして、また着れるようにしていく。

伊勢谷それこそ、あなた(龜石)の着ているツイードのジャケット、そうよね。

龜石そうですよ。

伊勢谷例えば、それでぬいぐるみを作ったりしてもめちゃくちゃかわいい。だけど、例えばファストファッションの服をぬいぐるみにしても、そうはならない。今は、そういう部分を見なくなった。ファッションは何を見てないのか? というのは重要で。リバースプロジェクトとしても、そこは考えていかなきゃいけない。

人と人がつながり、ストーリーが生まれる

龜石大垣さんにお聞きしたいのですが、大阪を代表する商業ビルとして、これからのルクア大阪の在り方はどう考えていますか?

大垣晃子(ルクア大阪・広報)ルクア大阪のコンセプトとして「ここにしかない価値を提供しよう」というのがあって。もはやネットで何でも買える時代だけど、ネットにはストーリー性があまりない。私たちリアル店舗の価値は、それをお届けすることじゃないかなって。

龜石飯島さんの世代からすると、インターネットで買うことも普通の感覚だと思います。

飯島はい。でも以前、友達のプレゼントをネットで買ったことがあったんですけど、渡すときにテンションが違った。ちゃんとお店に行って、その人の顔を思い浮かべて、スタッフさんと相談しながら選んで買うのと比べると…。

龜石そこにかける時間や手間ひまがあってこそ、よりスペシャルなプレゼントになる。確かにそうですね。コミュニケーションってこれからより大事になっていくと思うんです。人と人がつながることで何かが生まれていくし、買い物として捉えたときに、それは最大のコミュニケーションの場になる。

伊勢谷そう。皆さんは社会の一部で、その集まりが社会全体になっていく。一部だからまあいっか、って未来のことを考えずに消費しているのは、目覚めてない人たちだから。

龜石誰か・何かと関わるときに、自分の行為ひとつが未来につながるっていう想像力を持つことは大事。

望む現実をどう近づけるか。それは自分でしかない

龜石…と、ここまで話してきましたが、進行をバンバン飛ばしているんです。というのも、タケフミくんから今回、声をかけてもらったときに、テーマとなっている『LIFE=人生』について改めて考える機会になったんですね。というところで、せっかく今日はこの素敵なメンバーでいるんだから、ここからは「よりよい人生を生きるためにどうしていくか?」というのをフリートークで話したい。まずは、飯島さんからお聞きしたいのですが。

伊勢谷毎日練習してますよね。

飯島そうですね。アメリカにいたときは、毎日7時間くらいリハーサルして、そのなかで一度に3~4個の作品を覚えて、踊って。その繰り返しでした。

伊勢谷幸せですか?

飯島幸せです。

伊勢谷ほら。これはなんで幸せなんですかね。

龜石同世代の女の子たちが普段やっていることをやらないで我慢して、自分の突き詰めているものに時間を費やす。それって端から見たらかっこいいなって思うけど、やっている本人からしたらどう?

飯島と言っても、ファッションもそうですけど好きなことはどんどんしていて。でもバレエだけは、がむしゃらにやっているつもり。それは自分に誇れるものだと思っています。

龜石なるほど。自分自身に対して誇れるものを持つ。これはひとつヒントですよね。大垣さんはいかがでしょう?

大垣私は広報として、こんな素晴らしいお店やいいことがいっぱいあるんだよ、ということを発信していて。そうするなかで、お客さまが楽しそうに買い物をしているのを見るのが、自分にとっての幸せだったりします。

龜石これって、伊勢谷さんがよく言う「利他的な価値観は究極の利己的からじゃないと生まれない」というものと近いのかなって思うんですけど。

伊勢谷そう、自分自身の幸せって、奉仕からしか生まれない。

龜石タケフミくんの考える、よりよい人生を生きるためのヒントになるようなものは?

田中うーん…。猿からの脱却というか。今までの猿山の思想で、誰がトップを穫るかっていうのになっちゃうのはもう違う。じゃあどうすればいいだろうと。猿のままで宇宙に行って火星だとかに移住して一致団結の猿山になるか、自分自身を変えて猿じゃない思想で地球で生きるか。

伊勢谷いいねー。そういうの超好き。人間だけが志が持てるわけ。「志を立てて、もって万事の源となす」と松蔭先生は言いました。じゃあ逆に考えると、志がないと人間じゃない、ってことになる。これびっくりしません? 志って、なくて困ったりもしない。でもそれって寝てるやつでしょ。君ができることはまだまだあるから。それが猿からの脱却ってこと。

龜石そこはリバースプロジェクトとしてもチャレンジしていく部分ですよね。

伊勢谷皆さん、初詣って行きましたよね? 神社にはご神体と呼ばれているものがいくつかあって、そのなかのひとつに鏡があるですよ。松陰神社に行けばわかるんですけど、お賽銭を入れてがらんがらんした真っ正面に鏡がある。誰が映ってますかね。自分が映るんですよ。ってことは皆さん、誰にお参りしてます? これが日本の神道のすげえかっこいいところ。皆さんが自分や家族の健康を願います。神様やってくれたことあります? ないですよね。自分が願って行動するからはじまる。自分の人生のなかで、望む現実をどう近づけるか。それは自分でしかない。今日はありがとうございました。